今年夏に開催された「夏の甲子園」こと第一〇六回全国高等学校野球選手権大会。ハングル語の校歌で日本海のことを「東海」と歌う京都府の京都国際高校が初優勝を果たした。その京都国際を運営する「学校法人京都国際学園」が野球部の指揮を執る小牧憲継監督に虚偽の説明をしている可能性が浮上した。
京都国際は韓国の民族学校として創設され、平成一六年に京都国際高校として日本人の受け入れを開始した。ハングル語の校歌も民族学校時代の校歌だ。いまだに民族学校としてのルーツは根強く残り、李隆男理事長も令和四年に甲子園出場を果たした際には韓国民団に挨拶に赴いている。
校歌を巡っては甲子園に出場するたびに「ハングル語」というインパクトから話題になった。学校から提出された日本語訳において日本海を「東の海」と称し、原文では韓国での呼称である「東海」を採用していることが判明し「学校基本法に基づく教育が実施されているのか」と疑問の声が上がるようになった。
京都国際高校硬式野球部の指揮を執る小牧憲継監督は初優勝後、野球専門誌『number』のインタビューを受けた際に「お金がないから(校歌を)変えられない」と学園から説明を受けたと明かしている。『number』の記事では生徒募集担当者の実名も出して校歌の歌詞に触れていることからも記事の信ぴょう性の高さが伺える。
しかし、小牧監督が学園から受けた説明とは裏腹に、学校の資産は徐々に増加していることが判明した。令和六年五月の登記情報によると、令和五年度末時点の資産は一八億六四七五万一三〇円。令和元年末の一五億九二三三万八〇八九円より二億七二四一万二〇四一円増加している。
校歌を変更するのに作詞・作曲家への費用の支払いや校内の印刷物・掲示物の変更が必要なため、相応の費用が掛かる。作詞・作曲などを担当する製作会社では一〇〇万円~二〇〇万円ほどが相場であるという。たとえ有名人に依頼したとしても、総額で一億円単位では掛からないものとみられる。校歌変更に費用を費やしても余るほど順調に資産を増やしている中で「お金がない」という説明が小牧監督になされている。
日章新聞は京都国際学園に対し事実確認の連絡をしたが、期日までに返答はなかった。
『number』の取材では球児たちが「優勝したら撃たれないか」と心配している一面も明らかにされている。たとえ球児間の冗談であったとしても、球児は危機感を覚えている。球児を守るために校歌を変更することは生徒を預かる学園として当然の責務ではないか。
学校の広告塔として活躍し、学園の資産増加に最も貢献したのが小牧監督とその元で汗を流す高校球児だ。その活躍に報いることが、学園側にも求められている。球児の命と学園の資産、李理事長はどちらを天秤にかけるのか。
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