5日、株式会社KADOKAWAが出版を予定していた『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』の刊行を中止したことを発表した。
本書はアメリカで刊行されたものを日本語訳にしたもの。「よはく舎」の小林えみ代表などがKADOKAWAに対して「トランスジェンダー当事者の安全・人権を脅かしかねない」と刊行の中止を求める意見書を提出した。
原書が全世界で購読できる状態でありながら、日本語訳の刊行が停止したことについて批判の意見も多い。本書の日本語版の版権はKADOKAWAが保有しており、KADOKAWAが刊行を停止したことによって、実質上日本語訳の発行が出来ないことから「表現・言論の自由を奪っている」という指摘もある。
左派側は「本書は否定されたデマを蒸し返している」とデマ・ヘイトスピーチの拡散になると主張している一方、右派側は「日本語版の資料が流通することで議論の題材になる」と指摘している。
左派の指摘する「デマの拡散」の観点でいえば、現在の書籍市場には所謂「似非科学」「陰謀論」の書籍が跋扈している現状がある。主たる例として陰謀論を取り上げる月刊誌『月間ムー』が存在しているが、刊行の停止を求める運動は確認できない。
同様に「ヘイトスピーチの拡散」についても、左派が「レイシスト」と指摘する複数の人物が商業ベースでの出版物を刊行している。本文の内容に関する議論も下火で、本件のような大規模な刊行停止を求める運動は同様に確認できなかった。
左派が現在主張する刊行中止を求める内容は、これまでも同様の事例があったにも関わらず、本件のような大規模な反対運動は確認できなかった。本件になった途端に刊行中止を求めることは異常ともいうべきだ。
また右派が反日映画の上映活動や、反皇室的な雑誌記事の掲載などに肉体言語を用いて抗議した際には懸念を示しておきながら、肉体言語は使用せずとも刊行停止を求めていることにも矛盾が生じている。
また、原書が公開されているため、日本語訳の刊行の必要性はないことを主張している。原書ならば誰が読んでも問題ないものが、なぜ、日本語訳では問題になるのか。整合性のとれた主張は確認できない。
刊行停止を求める左派は、これまでの自身の矛盾を無視し、自己の都合の良い言論空間を構築することを夢見ていると言っても過言ではない現状が本件によって明らかになった。上記の様に「懸念されている内容」は既に出版されており、本書の刊行だけを中止するように求めるのは不自然だ。
更に言えば刊行直前に刊行を中止したことで、本書を購入する経済活動を阻害した。KADOKAWAはこれまでの刊行にかかった費用を損するのみで、利益を得ることがなく、社員の給料増加を止めることとなった。その観点で見れば、本書への刊行中止運動は日本経済にもわずかながら影響を与えている。
普段「自由」を主張しているにもかかわらず、その「自由」を阻害する左派は矛盾の塊である。更に日本経済に損害を与えている現状は「反日勢力」以外の何物でもない。
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